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042-674-0855“にきび”は、「尋常性ざ瘡(ざそう)」という皮膚の病気です。顔や胸、背中などにブツブツとできる“にきび”は、 毛包(毛の根元)が炎症を起こしている状態なのです。
“にきび”のできる原因は主に
(1)過剰な皮脂の分泌
(2)毛穴の出口が角化してつまる
(3)「にきび菌」の繁殖
(4)男性ホルモン、女性ホルモンなどホルモンのバランス
です。
皮脂を作る皮脂腺は、毛包と一体となって存在し、毛穴から皮脂を分泌します。皮脂腺から分泌された皮脂は皮膚に潤いを与え、皮膚を保護する働きがあります。(図1)
毛穴の出口がつまる(角化異常)と皮脂が出られなくなり、毛穴に皮脂がつまった状態になります。これを「めんぽう(面皰)」といいます。
この「めんぽう(面皰)」は“白にきび”とも呼ばれ、全体が黄白色に見えます。(図2)
また「めんぽう(面皰)」には“黒にきび”と呼ばれるものもあり、それは毛穴が開いて中につまったものが黒くなった状態のことを言います。(図3)
毛穴につまった皮脂の中に「にきび菌(アクネ菌)」が繁殖すると、「めんぽう」は赤くはれてブツブツします。(図4)
この状態がさらに進むと、ウミをもつようになります。そして、毛穴の壁が破れて、皮膚の表面だけでなく皮膚の中も大変な状態になっています。悪化させると、治ったあとに“にきび跡”が残ってしまいます。(瘢痕)
“にきび”の好発部位である顔、あご、胸、背の毛穴には、皮脂腺がよく発達しています。
また、思春期になると、男女を問わず男性ホルモンの分泌が高まります。男性ホルモンは皮脂分泌を増加させる働きがあり、“にきび”の原因になります。
また、女性ホルモンの一種、「黄体ホルモン」も、“にきび悪化”と関係があります。排卵後から次の生理までの期間は、「エストロゲン(女性ホルモン)」より「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が優位になります。(図6)この「プロゲステロン」は、皮脂を増加させ、にきびの原因となるのです。
ストレスは自律神経を介して男性ホルモンなどのホルモンに影響を与えるため、“にきび悪化”の原因となります。
20歳から30歳代にみられる“おとなのにきび”は、口のまわりや下あご、首などによくみられます。
精神的ストレスや身体的ストレスと関係があり、生理前に悪化することが多いようです。
思春期頃から生理不順や排卵障害が持続し、“にきび”や多毛、肥満などの男性化を伴う「PCOS(多のう胞性卵巣)」と言う疾患があります。
「思春期から持続する生理不順」、「男性ホルモン高値」、「両側卵巣がのう胞状に腫大する」などが、この疾患の特徴です。男性ホルモン高値の症状として、
生理不順以外に“にきび”や多毛などを伴うことがあります。
生理不順の治療をして生理を順調にしたり、排卵を順調に起こすようにしたりすると、“にきび”にも改善が見られるようです。ピルも治療に使われます。
抗生物質(菌の繁殖を抑える薬)や炎症を抑える薬、皮脂の分泌を抑える薬、ビタミン剤、漢方などです。
ピルを服用することで、血中内の「エストロゲン(女性ホルモン)」が「プロゲステロン(黄体ホルモン)」よりも優位になり、また卵巣由来の男性ホルモンが抑制されるため、にきびの改善がみられます。
菌の繁殖を抑えたり、炎症をやわらげたりします。