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042-674-0855子宮は、頸部と体部に分かれています。子宮の入り口近くの3分の1の部分が子宮頸部で、残りの3分の2の部分が体部です。(図1)
子宮体部の内膜にできるがんを、子宮体がんといいます。(図2)
一方、子宮頸部にできるがんを、子宮頸がんといいます。
40年前では、子宮体がんと子宮頸がんの比は1対9くらいでしたが、現在は4対6まで子宮体がんが増加しています。
かつては子宮体がんの割合が子宮頸がんに比べて少なかったため、子宮がんといえばほとんどが子宮頸がんのことを示していました。
しかし最近では、寿命が延びたことや生活スタイルの欧米化によって、子宮体がんが増加しています。
子宮頸がんが、性交渉やウイルス感染と関係が深いのに対して、子宮体がんの発生には、エストロゲンという女性ホルモンが関係しています。
月経が周期的に順調に来ている女性では、女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンが卵巣から周期的に分泌されています。
ところが、このホルモンのバランスがくずれると、子宮体がんが発生しやすくなります。プロゲステロンに比べ、エストロゲンの過剰が持続すると子宮内膜が増殖し、
がんになりやすくなります。正常細胞がエストロゲンの影響で子宮内膜増殖症(前がん状態)となり、最終的に子宮体がんとなります。
子宮体がんの危険因子としては、肥満、糖尿病、高血圧、高脂肪高カロリーの食事を好む、月経不順、不妊、未産婦などが上げられます。
子宮体がんの発症は50歳代後半に多く、平均年齢50~60歳くらいです。しかし、月経不順があれば、20~40歳代の女性でも発症することがあります。
また、子宮体がんのもうひとつのタイプとして、エストロゲンの影響を受けずに発症するがんがあります。こちらのタイプは子宮体がん全体の10%くらいを占めており、閉経後の高齢者に発症します。
子宮体がんの症状として、がんの早い段階から不正出血がみられます (まったく無症状のこともあります)。また、若い方であれば、月経不順や不妊という症状から発見されることがあります。
不正出血や月経過多、月経不順などの症状があれば、積極的に子宮体がんの検査を受けましょう。
子宮体がんの検査は子宮内膜細胞診と言って、子宮内腔に細胞採取器具を挿入し、こするか吸引して子宮内膜細胞を採取します。
結果は、陰性、疑陽性(子宮内膜増殖症)、陽性(子宮体がん)と3つに分けます。またはクラス分類し、クラスⅠ、Ⅱを正常、クラスⅢを子宮内膜増殖症、
クラスⅣ、Ⅴを子宮体がんとします。
早期に発見されるほど、予後は良好といえます。
子宮体がんが進行し、子宮頸部まで浸潤している状態
子宮内膜の一部を採取して、確定診断を行う検査